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引越しの準備で、意外と頭を悩ませるのが食器の梱包です。食器は壊れやすいので、丁寧に包んだつもりでも、新居に着いたら割れていた…そんな悲しい経験は、誰しも避けたいものです。特に初めての引越しの方、家族での引越しの方の中には、慣れない食器の梱包や大量の食器をどうやって全て割れないように包んだらいいのか、途方に暮れてしまう方もいるのではないでしょうか。
この記事では、引越しのプロが長年の経験から培った食器梱包のコツをもとに、以下について解説します。
- 食器を安全に運ぶための基礎知識
- 種類別の食器の包み方
- ダンボールへの詰め方
- 業者選びのポイント
せっかくこれまで大事にしてきた食器を一つも無駄にすることなく、新生活をスタートさせましょう!
引越しの食器梱包、もう怖くない!完璧に準備するための基礎知識
引越しの食器梱包を成功させるためには、事前の準備が非常に重要です。ここでは、食器梱包に取り掛かる前に知っておくべき基礎知識と、準備のステップを解説します。
なぜ食器梱包は重要なのか?
食器は、日常生活に欠かせないアイテムであると同時に、陶器やガラスなど、割れやすい素材でできたものが多く、引越し作業において破損のリスクが最も高いものの代表格です。引越し中に食器が割れてしまうと、精神的なショックはもちろん、後片付けの手間や怪我の危険も伴います。特に、お気に入りの食器や高価な食器が割れてしまった時のダメージは計り知れません。
適切な梱包は、これらのリスクを最小限に抑え、大切な食器を安全に新居まで運ぶための必須条件です。丁寧に梱包することで、引越し後の食器整理もスムーズになり、新生活を気持ちよくスタートすることができます。
準備を始める前に:食器の整理と分類
まず、食器の全体数を把握しましょう。食器の数がかさむと梱包に時間がかかってしまうので、引越しを機に、使っていない食器や不要な食器を整理することをおすすめします。食器棚の中身を全て出し、以下の3つに分類します。
- 新居に持っていく食器: 普段使いの食器、お気に入りの食器、特別な食器など
- 処分する食器: 使用頻度の低い食器、欠けている食器、趣味に合わない食器など
- 譲渡・販売する食器: 処分する食器の中で、まだ使えるもの
処分する食器は、自治体のルールに従って適切に処分しましょう。譲渡・販売できる食器は、リサイクルショップに持ち込んだり、フリマアプリで販売したりすると、引越し費用の足しにすることができます。身近な友人や知人に譲るのも良いでしょう。処分方法については時間の余裕を考慮して検討しましょう。
食器の量を減らすことで、梱包作業が楽になるだけでなく、引越し費用を抑えることにも繋がります。
梱包に必要な基本アイテム
食器梱包に必要なアイテムを事前に準備しておきましょう。100円ショップやホームセンター、インターネット通販などで手軽に揃えることができます。
梱包材:- 薄葉紙: 食器を包む基本的な材料です。新聞紙でも代用可能ですが、インク移りが気になる場合は、薄葉材を使用するのがおすすめです。100均で簡単に安く手に入ります。
- 気泡緩衝材: よく「ぷちぷち」とよばれている緩衝材です。割れやすい食器や重ねて梱包する食器の間に挟んだり、段ボールの隙間を埋めることで衝撃を吸収します。100均をはじめ様々な場所で安く手に入ります。
- 段ボール: 食器は重いので、小さめの段ボールに複数個分けて入れます。100サイズ程度の大きすぎない段ボールを選びましょう。食器を衝撃から守るため、強度のある厚手のものがおすすめです。
- 布テープ: 食器は荷物の中でも重い部類のため、高い粘着力と強度をほこる布テープがおすすめです。ただし他の種類のガムテープと比較してやや値段が高いため、強度は落ちますがガムテープで代用することもできます。
- 緩衝材: 発泡スチロール、エアキャップなど、食器の間に挟んだり食器を包むなどして食器を衝撃から守ります。
- 新聞紙: 薄葉材の代わりとして食器を包む梱包材として使う他、丸めると緩衝材の役割も担えます。家に新聞がある場合は活用すると、梱包費用の削減にもつながります。
- タオル: 緩衝材の代わりとして食器の間に挟みます。緩衝材と同様、衝撃を吸収する役割を担える他、緩衝材として使うと同時に荷物として運ぶことができます。
- 油性ペン (太字): 段ボールに中身や注意書きを記入するために使用します。
- カッター・ハサミ: 梱包材をカットする際に使用します。
- 軍手: 作業中の怪我防止や滑り止めになります。
- 雑巾: 梱包前に食器を綺麗にするために使用します。
【種類別】プロが教える!割れない食器の包み方とダンボールへの詰め方
食器の種類や形状に合わせて適切な梱包方法を実践することで、破損のリスクを大幅に減らすことができます。ここでは、プロが教える食器の種類別の包み方と、ダンボールへの詰め方を詳しく解説します。
基本の包み方:共通の3ステップ
どんな食器を梱包する際も、以下の3つのステップを意識することで、安全性を高めることができます。
- 清潔にする: 梱包する前に、食器の汚れを拭き取りましょう。汚れや油分を落とすことで、梱包材の滑りを防ぎ、衛生的に保てます。
- 梱包する: 食器全体を薄葉材や新聞紙で丁寧に包みます。角や突起部分は欠けやすいので、特に念入りに保護しましょう。
- 固定する: 梱包した食器を段ボールにつめ、隙間を緩衝材で埋めてから布テープもしくはガムテープで段ボールに封をします。隙間ができてしまうと食器が動き、破損のリスクが高まるので、しっかりと固定しましょう。
【種類別】包み方のコツ
お皿・お椀・丼ぶり:- お皿を 薄葉材の中央に置きます。
- 薄葉材の角を内側へ向けて順番に折りたたみ、お皿全体を包んだら布テープで固定しましょう。
- 段ボールに入れる際は、平積みではなく立てて収納します。立てることで、お皿にかかる圧力を分散させ、割れにくくすることができます。
- 段ボールに収納したお皿とお皿の間の隙間に、気泡緩衝材や丸めた新聞紙、緩衝材を詰め、食器の固定と衝撃の吸収が行えるようにしましょう。
- グラス・コップ:
- グラス・コップの中に薄葉材を詰め込み、その後に外側を包みます。そうすることで内側と外側の両方から衝撃を吸収させることができ、割れにくくなります。
- 包んだ薄葉材を布テープで固定しましょう。
- ガラスが薄手な場合など、特に壊れやすそうなものは薄葉材の上から緩衝材で包み、布テープで固定します。
- 段ボールに立てて収納します。グラスやコップは、横にすると転がりやすく、破損の原因になるため、必ず立てて収納しましょう。できる限り高さをそろえると隙間ができにくいです。
- グラス・コップを詰めたあとにできている隙間に緩衝材 を詰めて固定します。グラス・コップの上に隙間がある場合は、緩衝材で埋め、それでも余裕がありそうな場合はその上にもう一段詰めます。
- カトラリー:フォークやスプーン、ナイフなどのカトラリーは、食器ほど破損しやすいものではありませんが、他の食器を傷つけてしまうリスクがあるため、梱包に工夫が必要です。
- カトラリーを種類ごとにまとめて薄葉材や緩衝材で包み、テープで留めます。
- 段ボールの隙間を埋めるように収納します。その後できた隙間に緩衝材を詰め、固定しましょう。
- 刃物類:包丁などの刃物類は誤った梱包を行うと怪我をする恐れがあります。安全に引越し作業を進められるように適切な梱包を行いましょう。
- 刃の部分を新聞紙などの厚手の紙で梱包します。
- 紙のうえから更に緩衝材で包みます。その上からテープでしっかりと梱包し、梱包されたものが刃物であるとわかるよう、「刃物注意」などのかたちで注意書きをします。
- 段ボールに他の荷物と触れないように詰め、緩衝材で隙間を埋めて固定します。
- 食器類以外の割れやすいもの:花瓶や壺など食器以外にも壊れやすいものがあります。基本的に梱包方法は食器類と同じです。新聞紙などの紙で梱包し、そのうえから緩衝材で包んでテープで留めます。段ボールに入れる際は緩衝材で隙間を詰め、固定しましょう。
- 液体類:調味料や使用途中のビンなど、中に液体が入っているものについては液漏れの対策を行う必要があります。
- フタが閉まっていることを確認し、全体を新聞紙などで包みます。
- 紙のうえから更に緩衝材で包みます。その上からテープでしっかりと留めます。
- 液漏れの防止策として、ポリ袋などに入れ入口を結びます。
- 立てた状態で段ボールに詰めます。中に液体が入っていることを伝えるため、段ボールの外から見える部分に「液体物」などと注意書きをしましょう。
液漏れが心配な場合は蓋の上からラップで包み、輪ゴムやテープで固定するとよりリスクを減らすことができます。
ダンボールへの詰め方:3つの重要ポイント
食器を安全に運ぶためには、ダンボールへの詰め方も重要です。以下の3つのポイントを守ることで、輸送中の破損リスクを大幅に減らすことができます。
- 重い食器は下に、軽い食器は上に: 重い食器を下に、軽い食器を上に詰めることで、重心が安定し、ダンボールが倒れにくくなります。また、軽い食器が重い食器に押しつぶされるのを防ぎます。
- 隙間は徹底的に埋める: ダンボールの中で食器同士がぶつかって割れないよう、丸めた新聞紙や緩衝材で隙間を徹底的に埋めます。また緩衝材を詰めることで荷物が固定され、より安全にはこぶことができます。
- 立てて収納を基本に: お皿やグラスなど、 平たい形状の食器は、立てて収納することで、圧力を分散させ割れにくくします。
梱包後の最終確認と注意点
梱包が終わったら、最終確認を行いましょう。
- ダンボールを軽く揺さぶり、食器同士がぶつかる音がしないか確認します。 音がする場合は、隙間が空いている証拠なので、丸めた新聞紙や緩衝材を追加しましょう。
- ダンボールの上を布テープやガムテープでしっかりと封をします。 運搬中に上が開いてしまうと、食器が飛び出す危険があります。
- ダンボールの側面と上に、油性ペンで「割れ物注意」「液体物」などと大きく書き込みます。 運搬業者への注意喚起を促し、丁寧な取り扱いを依頼します。
- ダンボールの外から見える位置に入れたものの内容を記載しておくと、引越し後の整理が楽になります。 例:「食器 – キッチン」「グラス – ダイニング」など。
業者に頼む?自分でやる?食器梱包の賢い選択と注意点
引越しの食器梱包は、業者に依頼する方法と自分で行う方法の2つがあります。それぞれのメリット・デメリットを比較し、ご自身の状況に合わせて賢く選択しましょう。
業者に依頼する場合:メリット・デメリット
- メリット:
- 時間と手間を大幅に削減できる: 梱包作業を全て業者に任せられるため、時間や体力に余裕がない方におすすめです。特に仕事や育児で忙しい方や、引越し準備に時間をかけられない方にとっては大きなメリットとなります。
- 引越しのプロによる安心安全な梱包: 引越し業者は、豊富な経験に基づく梱包技術を持っています。食器の種類や形状に合わせて最適な梱包方法で丁寧に梱包してくれるため、自分で梱包するよりも安全性が高まります。
- 破損時の補償が受けられる場合がある: 万が一、輸送中に食器が破損した場合でも、引越し業者の保険で補償金が受けられる場合があります。大切な食器や高価な食器を安心して任せることができます。( 補償の充実具合は業者によって異なるため、事前に確認が必要です。)
- デメリット:
- 費用が高くなる: 梱包を依頼するオプションは、引越し費用の中でも高額な部類に入ります。費用を抑えたい方にとってはデメリットとなります。
- 業者選びに手間がかかる: 数多くの引越し業者の中から、信頼できる業者を選ぶ必要があります。見積もりを比較したり、口コミを調べたり、業者選びに時間と手間がかかる場合があります。
- 業者とのコミュニケーションが必要: 梱包する食器の内容や、梱包方法の希望などを業者に伝える必要があります。業者とのコミュニケーションがスムーズに進まないと、 梱包ミスやトラブルの原因になることもあります。
自分で梱包する場合:メリット・デメリット
- メリット:
- 費用を大幅に抑えられる: 梱包材費のみで済むため、費用を最小限に抑えられます。予算重視の方や、できるだけ費用をかけたくない方におすすめです。
- 自分のペースで梱包できる: 時間や進捗状況を気にせず、自分のペースで梱包できます。自分のペースで丁寧に作業したい方や、時間をかけて確実に梱包したい方に向いています。
- 愛着のある食器を自分で丁寧に梱包できる: 大切な食器や思い出の詰まった食器を、自分で安全に梱包したいという方におすすめです。プロの業者とはいえ、万が一破損するリスクもゼロではありません。自分の手で梱包を行った方が確実に丁寧にすることができます。
- デメリット:
- 時間と手間がかかる: 梱包作業を全て自分で行う必要があるため、時間と体力を消耗します。特に食器の量が多い場合や、引越し準備にかけられる時間が限られている場合は大変です。
- 梱包の出来栄えが引越し業者に劣る可能性がある: 梱包の経験がない場合、引越し業者レベルの完璧な梱包は難しいかもしれません。梱包方法を間違えたり、荷物の詰め方が甘いと、破損のリスクが高まります。
- 破損時の補償がない: 自分で梱包した場合、輸送中に食器が破損しても補償は受けられません。全て自己責任となります。高価な食器や割れやすい食器を自分で梱包する場合は注意が必要です。
業者選びのポイント (業者に依頼する場合)
業者に食器梱包を依頼する場合は、以下のポイントを参考に業者を選びましょう。
- 見積もりは複数業者から取る: 複数の引越し業者から見積もりを取り、料金やサービス内容を比較検討しましょう。最低でも3社以上から見積もりを取るのがおすすめです。
- 口コミや評判をチェックする: インターネット上の口コミサイトや、引越し業者の評判をチェックし、信頼できる業者を選びましょう。実際にサービスを利用した人の声は、業者選びの貴重な情報源となります。
- 損害賠償保険の加入の有無を確認する: 万が一の破損に備え、損害賠償保険に加入している業者を選びましょう。保険の加入状況や補償の範囲について、事前にしっかりと確認しておくことが大切です。
- 食器梱包の実績を確認する: 食器梱包の実績について、業者に直接質問してみましょう。 梱包方法や過去の事例などを具体的に質問することで、業者の安全性を見極めることができます。
まとめ
引越しの食器梱包は、丁寧に進めることで、誰でも安全かつ確実に行うことができます
どんな方法を選ぶにしても、最も大切なのは「割れ物を丁寧に扱う」という意識です。 この点を忘れずに、落ち着いて梱包作業に取り組めば、大切な食器を損傷なく新居に運ぶことができるはずです。
執筆者

DOOR賃貸編集部
DOOR賃貸運営事務局