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引っ越しは、人生における大きなイベントの一つです。新居の初期費用や家具を買い揃えたりなど、何かと出費がかさむ分、せめて引っ越し費用は安く済ませたいですよね。
では、費用を抑える方法にはどのようなものがあるでしょう。例えば、引っ越し業者の選び方、引っ越すタイミングなど、工夫次第で方法はいくらでもあります。
この記事を読めば、
- なぜ引越し費用は時期によって変わるのか?
- 一番安く引越しできる時期はいつ?
- 二重家賃を防ぐ退去日・入居日の決め方
- 具体的にどうすれば引越し費用を節約できるのか?
といった疑問が解決し、費用を抑えながらスムーズな引越し を実現できます。引越しを控えている方はもちろん、いつか引越しをするかもしれない方も、ぜひ最後まで読んで、お得な知識を吸収しましょう。
引越し費用を左右する3大要素:時期、距離、荷物量
引越し費用は、様々な要素が複雑に絡み合って決まりますが、中でも特に大きく影響するのが、「時期」「距離」「荷物量」 の3つの要素です。転勤や家族での引っ越しなど、場合によっては自身で調整することが難しいこともありますが、最低でもどれか一つは調整できるはずです。
【最重要】引越し費用を大きく左右する「時期」
引越し費用は、時期によって大幅に変動 します。費用の価格設定の仕組みは、航空券やホテルの料金と同じく、需要が高まる時期には価格が跳ね上がり、需要が低い時期には安くなる傾向があるのです。そのため、避けるべき時期は需要が高まる時期、狙うべきは需要が低くなる時期になります。
引越し料金が高くなる「繁忙期」
一般的に、3月~4月 と 9月~10月 は引越しの繁忙期と言われています。3月~4月は進学や就職、転勤など、新生活を始める人が一斉に動き出すため、引越し需要が爆発的に高まります。9月~10月も秋の人事異動や、夏の暑さを避けて引越しをする人が増えるため、比較的需要が高まります。これらの繁忙期は、引越し業者も予約が取りづらく、料金も通常期の2倍以上になることも珍しくありません。また、週末や祝日も同様に需要が高まるため、さらに高騰します。
引越し料金が安くなる「閑散期」
一方、5月~6月 と 11月~2月 は引越しの閑散期にあたります。5月~6月はゴールデンウィーク明けで落ち着き、梅雨に入る時期なので天候が不安定であることから避ける人が多い時期です。また11月~2月は年末年始を挟み、寒さも厳しくなるため、引越しを避ける人が多くなります。閑散期は引越し業者の予約も取りやすく、料金も繁忙期に比べて大幅に安く なります。平日や時間帯によっては、さらに割引が適用されることもあります。
距離と荷物量も重要!費用を左右するその他の要素
時期以外にも、引越し距離 と 荷物量 は費用に大きく影響します。一人暮らしの場合は比較的荷物量は少なく、夫婦や家族など人数が増えるほど多くなる傾向にあります。また、距離も長くなるほど、ガソリン代や高速道路料金、人件費などがかさむため、費用は高くなります。
その他にも、エレベーターの有無や階数、エアコンの取り外し・取り付け、不用品回収などのオプションサービス、なども費用に影響します。トラックが入れない場所の場合は、人の手で荷物を長い距離運ばなければならないので、人件費・作業時間ともに増加し、費用の増加につながります。
【時期別】引越し費用の相場とベストタイミング攻略法
ここでは、引越し費用の時期別の相場と、費用を抑えるためのベストタイミングの選び方を解説します。既にお伝えしている通り、引っ越し時期は費用を大幅に抑えるポイントの一つです。時期の調整が可能な場合は、最適なタイミングを選びましょう。
月別引越し費用相場(単身・家族の場合)
あくまで目安ですが、単身・家族の月別費用相場は以下の通りです。
月 | 単身者 | 家族(3人家族) |
---|---|---|
1月 | 46,000円~51,000円 | 79,000円~86,000円 |
2月 | 39,000円~47,000円 | 89,000円~95,000円 |
3月 | 47,000円~61,000円 | 103,000円~152,000円 |
4月 | 43,000円~57,000円 | 99,000円~111,000円 |
5月 | 39,000円~48,000円 | 78,000円~86,000円 |
6月 | 35,000円~47,000円 | 81,000円~92,000円 |
7月 | 37,000円~47,000円 | 75,000円~98,000円 |
8月 | 37,000円~49,000円 | 81,000円~83,000円 |
9月 | 38,000円~48,000円 | 84,000円~90,000円 |
10月 | 34,000円~48,000円 | 80,000円~86,000円 |
11月 | 29,000円~44,000円 | 78,000円~91,000円 |
12月 | 36,000円~46,000円 | 85,000円~99,000円 |
- 最繁忙期(3月~4月): 4.3万円~15.2万円
- 繁忙期(9月~10月): 3.7万円~9.8万円
- 通常期(上記以外の時期): 3万円~7万円程度
- 閑散期(5月~6月、11月~2月): 2.9万円~9.9万円程度
※価格.com引越しの引越し費用・料金相場より参照(2025年3月時点)
※上記料金相場はあくまで目安です。荷物量、移動距離、家族構成、業者によって料金は大きく変動します。
賢く費用を抑える!ベストタイミング攻略法
引越し費用を抑えたいなら、以下の引っ越しベストタイミングの選び方を実践しましょう。
- ① 閑散期を狙う
最も効果的なのは、繁忙期を避けて閑散期に引越し をすることです。特に、5月~6月、11月~2月は費用が大幅に安くなる可能性が高いです。
- ② 平日を選ぶ
土日祝日は引越し業者の予約が集中しやすく、料金も高めに設定されています。平日に引越し をすることで、費用を抑えることができます。特に平日の半ばにあたる火曜日・水曜日・木曜日は、平日の中でもより安くなりやすい傾向にあります。
- ③ 午前便より午後便
午前便は引っ越し作業を行ったその日中に、余裕をもって荷解きを終えられるため人気が高く、料金も高めに設定されている傾向があります。午後便を選ぶ ことで、費用を抑えられる可能性があります。
- ④ 時間帯を指定しない「フリー便」を活用
引越し時間を業者に任せる「フリー便」を選ぶと、時間指定便よりも安く なる場合があります。時間に融通が利く場合は、検討してみましょう。
- ⑤ 月末・月初を避ける
月末や月初は、賃貸契約の切り替え時期と重なるため、引越し需要が高まります。月の半ば頃 を選ぶと、比較的費用を抑えやすいでしょう。
- ⑥ 早めの予約で割引交渉
引越し日が決まったら、できるだけ早く業者に見積もりを依頼 しましょう。早めに予約が入ることは、業者にとって早めに契約を取れる可能性でもあるので、割引交渉が優位に進みやすくなる場合があります。
- ⑦ 複数の業者から見積もりを取る
必ず三社以上の業者から見積もりを取り、料金やサービス内容を比較検討しましょう。一括見積もりサイトなどを活用すると、効率的に比較できます。
- ⑧ 荷物を減らしてから引っ越しを行う
荷物量は引っ越し費用を左右する三大要素の一つです。本当に必要な荷物なのか引っ越し前に見直し、不用品は引っ越し前に処分しましょう。リサイクルショップやフリマアプリを活用して売却すると、引越し費用の足しにできます。
- ⑨ 新しく購入する家具・家電は新居へ送る
家具の運搬は、利用する業者やサービスによっては対応していない場合があり、費用がかさむ原因になります。家具・家電の販売元では希望の住所に送り届けてくれるサービスがある場合が多いので、新居を送り先に設定しましょう。
これらの攻略法を組み合わせることで、引越し費用を大幅に節約できる可能性があります。会社からの補助が出る場合でも、複数の業者から見積もりを取り、相場を把握することが大切です。
最適な入居日・退去日のタイミングとは?
引っ越し時期を決めるうえで、気になるのが入居日と退去日をいつに設定するかという問題です。なぜなら、場合によっては二重家賃が発生してしまい、せっかく引越し費用を節約しても、かえって損をしてしまうことがあるためです。
最適なタイミングを見極めることで、家賃を最小限に抑え、スムーズな引越しを実現できます。
理想の入居日とは、新居と旧居で二重に家賃が発生しないタイミングです。一般的には、以下の6つの要素を考慮して入居日を決定します。
- 現居の解約予告期間
通常、賃貸契約には一定の契約期間が設けられており、期間内に退去する場合は、解約予告期限に則って解約予告を行うことが契約内容で義務付けられてます。 - 現居の解約日
賃貸契約が満了する日です。現居の解約予告期間に則って定められます。
- 現居の退去日
部屋を完全に引き払う日です。解約日と同日もしくは前に設定する必要があります。
- 新居の契約開始日
賃貸契約が開始される日です。
- 新居の入居日
部屋に住み始める日です。契約開始日と同日もしくは後に設定する必要があります。また、入居日から家賃が発生し始めます。
- 自身のスケジュール:仕事や学校の都合、引越し準備にかかる時間などを考慮して、無理のない入居日を設定しましょう。
特に注意したいのが、新居の契約開始日です。物件によっては、契約開始日が固定されている場合や、契約開始日から家賃が発生する場合があります。不動産会社に確認し、無駄な家賃を支払うことのないように注意しましょう。
二重家賃は絶対回避!具体的な対策と交渉術
引越しで最も痛い出費の一つが二重家賃です。二重家賃とは、現居の家賃と新居の家賃を同時に支払う期間が発生することです。数日から数週間でも、数万円単位の出費になることもあります。ここでは、二重家賃を回避するための具体的な対策を解説します。
二重家賃が発生しやすいのは、主に以下のケースです。
- 解約予告が遅れてしまった場合
解約予告期間は守る必要があります。解約予告期間が1カ月で入居日を4月1日に設定していた場合、それに合わせて解約日を3月31日、解約予告日を2月28日にしようとしたところ、解約予告日が3月15日にずれ込むと、解約日は4月15日となり、4月1日~15日までの二重家賃が発生してしまいます。
このステップ通りに進めると二重家賃を回避しやすいです。
- 現居の解約予告を行う
- 新居の契約開始日・入居日を確定させる
- 現居の退去日を決める
まず解約予告を行い、退去日の最短日程を確定させます。次いで新居の入居日を調整し、最後に入居日に合わせて退去日を決めることで、退去と住み始めの間隔を最少にし、二重家賃も最短にすることができます。
なお物件によっては入居日の交渉ができない場合があります。行動に移す前に、解約予告期間・契約開始日・入居日の設定方法を管理会社へ確認しておきましょう。
他にも以下のような方法があります。
- フリーレント物件を選ぶ:フリーレント物件とは、一定期間家賃が無料になる物件です。フリーレント期間を利用すれば、二重家賃を実質的に回避できます。
- 日割り家賃交渉をする:新居の家賃は基本的に月額で発生します。賃貸借契約書に日割りで計算する旨や、交渉によっては日割り額で済むことがあります。
ライフスタイル別!あなたに最適な引越し時期を見つけよう
引越し費用を抑えるためには時期が重要ですが、ライフスタイルによっては、費用だけでなく、引越しのしやすさ や 新生活の準備期間 も考慮する必要があります。ここでは、やむを得ず繁忙期に引っ越すケース・就職や入学を機に引っ越すケースの二つについて、最適な引越し時期の選び方を提案します。
繁忙期に引っ越しする場合
単身赴任の場合、新年度に合わせて会社からの辞令があり、引っ越しが決まることも少なくありません。また子どもがいる場合は、学校の進級に合わせて新年度に引っ越し時期を設定したい方も多いでしょう。
この場合、引っ越し時期は繁忙期にあたる3月~4月からずらすことができませんが、できるだけ費用を抑えたいのが本音でしょう。
繁忙期の引っ越しにおすすめの時期
- 平日: 費用を最優先するなら、平日がおすすめです。
- 時間帯を業者に任せる: フリー便や午後便を活用して、さらに費用を抑えましょう。
- 荷物を最小限に: 単身赴任であれば、荷物は必要最小限に抑え、宅配便や単身パックなども検討しましょう。
- 不用品は積極的に処分: 不用品を処分することで、荷物量を減らし、引越し費用を抑えることができます。
ポイント: 会社からの補助が出る場合でも、複数の業者から見積もりを取り、相場を把握 することが大切です。不用品は積極的に処分し、荷物を減らすことも費用節約につながります。また、引越し業者との交渉も忘れずに行いましょう。
就職・入学を機に引っ越しする場合
就職・入学の場合、引っ越しを新年度までに完了させる必要があります。しかし、学生や就職浪人生であれば、受験勉強や就職活動を終えてから時間の余裕が生まれ、工夫次第では繁忙期に引っ越しを行わずみ済むことがあります。
就職・入学の引っ越しにおすすめの時期
- 閑散期の平日: 費用を最優先するなら、閑散期の平日が最もおすすめです。
- 時間帯を業者に任せる: フリー便や午後便を活用して、さらに費用を抑えましょう。
- 荷物を最小限に: 一人暮らしであれば、荷物を必要最小限に抑え、宅配便や単身パックなども検討しましょう。
- 不用品は積極的に処分: 不用品を処分することで、荷物量を減らし、引越し費用を抑えることができます。
- 学割を利用: 業者によっては学生を対象に割引サービスを行っている場合があります。割引の利用を考えている場合は、引越し業者を選ぶ際のポイントの一つにしておきましょう。
ポイント:引っ越し後、卒業式などの用事で旧居付近へ戻らなければならない場合もありますが、実家を頼ったり、ホテルを利用するなどすれば、閑散期に引っ越しを終えても不便することは少ないです。
まとめ
引越し費用は、時期、距離、荷物量 の3つの要素によって大きく変動します。特に、時期 は費用を大きく左右する最重要要素です。
引越し費用を抑えるための重要ポイント
- 閑散期(5月~6月、11月~2月)を選ぶ
- 平日、時間帯指定なし(フリー便)、午後便を選ぶ
- 複数の業者から見積もりを取り、比較検討する
- 不用品を処分して荷物を減らす
- 単身パックなどを検討する(荷物少なめの場合)
- 二重家賃は最小限にとどめる
【次のステップ】
まずは、引越し予定日と引越し先の住所、荷物量などを整理してみましょう。そして、複数の引越し業者から見積もりを取り、比較検討を始めることをおすすめします。一括見積もりサイトなどを活用すると、効率的に比較できます。
引越し費用はなにかとかさみやすいですが、工夫次第では節約することができます。節約した分の費用は新生活を充実させるために使い、充実したスタートを切りましょう!
執筆者

DOOR賃貸編集部
DOOR賃貸運営事務局