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県外への引越しは、近距離の引越しと比べると費用が高く、手続きも煩雑になりやすいため、なにかと苦労することが多いです。そのため、まずは何から始めればいいのか、費用がどれくらいかかるのかなど疑問は尽きないでしょう。
この記事では、県外への引越しを成功させるために必要な準備、費用の相場、格安業者選びのコツを徹底的に解説します。
この記事を読めば、
- 手続きの抜け漏れが発生しやすいポイント
- 費用を抑えるためのテクニック
- 信頼できる業者を見極めるポイント
などがわかります。
正しい知識とテクニックを身に着け、県外への引越しでも節約しつつ余裕をもって完遂しましょう。
県外引越しの準備:段取りと手続きを徹底解説
県外の引越しは、現住所での手続き、新居での手続き、引越し業者とのやり取りなど、やるべきことが多いです。
まず引越しの準備の全体像を把握したうえで、優先順位や順番を整理しスムーズに手続きを進める手順を理解しましょう。
まず、引越しが決まったら、引越し日と新居の入居日を確定させましょう。早めに日程を決めることで、引越し業者の選定や各種手続きを計画的に進めることができます。次に、引越し業者の選定です。複数の業者から見積もりを取り、料金だけでなく、サービス内容や対応の丁寧さも比較検討しましょう。
並行して、現住居での手続きを進めます。
- 転出届: 現住所の市区町村役場で転出届を提出します。マイナンバーカードがあれば原則窓口での届出が不要になるので、オンラインでも手続き可能です。
- ライフライン:電気、ガス、水道の停止手続きを行います。使用停止日を引越し日に合わせましょう。
- インターネット・固定電話: 移転手続き、または解約手続きを行います。新居での開通工事が必要な場合は、工事が予約で混み合っている時期もあるので、早めに申込ましょう。
- 郵便物: 郵便局には旧住所宛の郵便物を新住所に転送してもらえる転送サービスがあります。利用するには、事前に郵便局へ転居届を提出する必要があります。
- 銀行・クレジットカード: 住所変更手続きを行います。オンラインで手続きできる場合が多いです。
- 保険: 生命保険、自動車保険など加入している保険があれば、住所変更手続きを行います。
- 運転免許証・自動車: 運転免許証の住所変更は、新住所を管轄する警察署で行います。自動車の場合は、運輸支局で住所変更登録が必要です。
- 学校・幼稚園: 転校手続きを行います。転校の旨を担任の先生に伝え、在学証明書や転入学通知書などの必要な書類をもらいましょう。
- 勤務先: 転勤の場合は、会社からの指示に従い手続きを行います。
新居での手続きも忘れずに行いましょう。
- 転入届: 新住所の市区町村役場で転入届を提出します。引越し後14日以内に行いましょう。
- ライフライン: 電気、ガス、水道の開始手続きを行います。ガスのみ開栓作業に立ち会う必要があるので、立会い日は予定を空けておきましょう。なお、いずれも入居日に合わせて開始日を設定するのがおすすめです。
- インターネット・固定電話: 開通工事を行います。
- NHK: 住所変更手続きを行います。
これらの手続きをリスト化し、一つずつ確実に進めていきましょう。
【単身者・家族別】 県外引越しの費用:相場と内訳、安く抑えるコツ
県外引越しで最も気になるのが費用です。引越し費用は、移動距離、荷物量、時期など様々な要因で大きく変動します。ここでは、県外引越しの費用相場と内訳を詳しく解説し、費用を安く抑えるための具体的なコツを紹介します。
費用の内訳は、主に以下の項目から構成されます。
- 基本運賃:国土交通省が定める運賃に準拠した価格に、荷物量と運送距離を加味して設定します。
- 割増料金:繁忙期や土日祝日、配送時間指定など、引っ越し需要の高まりに伴って加算される料金です。
- 実費:人件費、トラック代、梱包材料費、交通費、搬出・搬入作業・作業時間などにより計算される料金です。
- オプション料金:エアコンの取り外し・取り付け、不用品回収、ハウスクリーニングなど、追加で依頼するサービスにかかる費用です。
【単身者限定】費用を安く抑える節約術
単身引越しでおすすめの節約術が「単身パック」の利用です。
単身パックとは、一人分の荷物を専用のボックスやコンテナに積み込み、輸送するサービスです。自分の荷物だけでなく、他の人の荷物と一緒に運ばれるので、トラック代・人件費が安くなり費用の節約につながります。
軽トラック便などと比較して、長距離輸送に適しており、県外への引越しで利用されることが多いです。料金相場は4.8万円~10.3万円程度が目安です。ただし、これはあくまで目安であり、業者や時期、荷物量によって料金は変動します。
単身パックのサービス内容は業者によって異なりますが、一般的には以下のものが含まれています。
- 荷物の梱包・搬出・搬入(一部自身で行うプランもあり)
- 輸送
- 開梱・設置(オプションの場合が多い)
単身パックの最大のメリットは、料金が比較的安いことです。特に荷物が少ない場合は、通常の引越しに比べて大幅に費用を抑えられます。また、手続きが簡単で、電話やインターネットで手軽に申し込める点も魅力です。
一方で、デメリットも存在します。まず、荷物量に制限があることです。専用ボックスに収まる量しか運べないため、荷物が多い場合は複数個のパックを利用するか、通常の引越しを検討する必要があります。また、日時指定ができない場合や、他の荷物と混載になるため、到着までに時間がかかる場合もあります。
単身パックは、以下のような方におすすめです。
- 荷物が少ない方(目安:段ボール10個程度まで)。例えば、新社会人の健太さんのように、家具家電を新居で揃える予定の方には最適です。
- 費用を最優先に考えたい方。とにかく安く済ませたいという方におすすめです。
- 日時指定にこだわりがない方。時間に融通が利く方に向いています。
- 自分で梱包作業をしても苦にならない方。梱包資材を自分で用意する必要があります。
逆に、以下のような方は単身パック以外の方法も検討した方が良いでしょう。
- 荷物が多い方。家族分の荷物を運ぶ必要がある田中さんのような場合は、単身パックでは難しいでしょう。
- 日時指定をしたい方。どうしてもこの日に引越したい、という希望がある場合は不向きです。
- 家電や家具の設置まで業者に任せたい方。オプション料金が発生する場合があります。
- デリケートな荷物が多い方。精密機器や美術品などは、通常の引越しの方が安心です。
単身パックは確かに魅力的な選択肢ですが、ご自身の状況や希望に合わせて慎重に検討することが大切です。
費用を安く抑える節約術
県外引越しの費用相場は家族での引越しの場合は、12.8万円~40.1万円程度となることが多いです。ただし、これはあくまで目安であり、実際の費用は依頼する業者など、個々の状況によって異なります。
引越し費用を安く抑えるコツは、以下の通りです。
- 引越し時期を調整する: 一般的に、3月~4月、9月~10月の繁忙期、土日祝日は引越しの需要が高まるため料金が高くなります。平日や閑散期を選ぶことで費用を抑えられます。
- 複数の業者から見積もりを取る: 最低で三社以上の業者に見積もりを依頼し、料金やサービス内容を比較検討しましょう。引越しの費用に定額がないため、複数の見積もりを取ることで相場も把握でき、節約につながります。
- 不用品を処分する: 荷物量を減らすことで、引越し費用を抑えられます。不用品はリサイクルショップに売ったり、フリマアプリで販売すると、引越し費用の足しにできます。
- 自分で梱包する: 業者に梱包を依頼するとオプション料金が発生します。自分で梱包することで費用を節約できます。
- 割引キャンペーンを利用する: 引越し業者が実施している割引キャンペーンを利用しましょう。内容は業者ごとに異なるため、業者を選ぶ際はキャンペーンも含めて検討すると良いです。
これらのコツを参考に、ご自身の状況に合わせて費用を抑える工夫をしてみてください。
要チェック!引越し割引キャンペーンの種類
引越し業者では、様々な割引キャンペーンを実施しています。代表的なものをいくつかご紹介しましょう。なお、業者によって取り扱っている割引内容が異なるのであくまで参考程度にしましょう。
- 早期予約割引:引越し日の一ヶ月以上前などに予約することで適用される割引です。早めに引越し日が決まっている場合は、積極的に利用しましょう。
- 平日割引:土日祝日を避けて平日に引越しを行うことで適用される割引です。日程に融通が利く場合は、平日を選ぶことで費用を抑えられます。
- ネット割引:インターネットから見積もりや申し込みを行うことで適用される割引です。手軽に利用できるので、ぜひ活用しましょう。
- クレジットカード割引:引越し業者指定のクレジットカードから料金を支払うと受けられる割引です。対象となるカードは「ビューカード」「イオンカード」などが多く、国際ブランドのクレジットカードは対象となる場合が少ない傾向にあります。
- 学割・新生活応援割引:学生や新社会人など、特定の条件を満たす場合に適用される割引です。該当する場合は、忘れずに申請しましょう。健太さんは新社会人なので、この割引を利用できる可能性があります。
これらの割引キャンペーンは、併用できる場合もあります。複数のキャンペーンを組み合わせることで、さらにお得に引越しができます。各業者のウェブサイトや見積もり時に、利用できるキャンペーンがないか確認してみましょう。
自分でできる簡単梱包術
引越し費用を抑えるためには、自分で梱包を行うことも有効な手段です。梱包作業を業者に依頼すると、人件費や資材費がかかりますが、自分で梱包すればこれらの費用を節約できます。
自分で梱包する際のポイントは以下の通りです。
- 早めに準備を始める:引越し日が近づいてから慌てて梱包するのではなく、余裕をもって早めに準備を始めましょう。
- 梱包資材を準備する:段ボール、ガムテープ、緩衝材(新聞紙、プチプチなど)、油性ペンなど、必要な梱包資材を事前に準備しましょう。100均などで安く購入できる梱包材もあります。
- 種類別に梱包する:食器、衣類、書籍など、種類別に段ボールに詰めることで、荷解きが楽になります。
- 重いものは小さい段ボールに:書籍など重いものは小さい段ボールに詰め、大きい段ボールには軽いものを詰めるようにしましょう。重い段ボールを重ねると、運搬中に底が抜けたり、怪我の原因になります。
- 割れ物は丁寧に梱包:食器やガラス製品などの割れ物は、プチプチや新聞紙で丁寧に包み、段ボールの隙間にも緩衝材を詰めて、輸送中に破損しないように丁寧に梱包しましょう。
- 中身を記載する:段ボールに油性ペンで中身を記載しておくと、荷解きの際に便利です。また、割れ物注意などの注意書きも忘れずに記載しましょう。
自分で梱包するのは大変ですが、コツさえ掴めば意外と簡単に行えます。梱包作業を楽しみながら、引越し費用を節約しましょう。
格安引越し業者の選び方:見積もり比較と注意点
引越し費用を抑えたいなら、格安引越し業者を選ぶことが有効な手段の一つです。しかし、安さだけを重視すると、サービス品質が低かったり、後から追加料金が発生したりするリスクもあります。ここでは、格安引越し業者を選ぶ際のポイントと注意点を解説します。
格安引越し業者を選ぶポイントは、以下の通りです。
- 複数の業者から見積もりを取る: 最低でも3社以上から見積もりを取り、料金を比較しましょう。
- 見積もりは訪問見積もりを依頼する: 電話やオンライン見積もりだけでなく、実際に自宅に来てもらい、荷物量を確認してもらう訪問見積もりを依頼しましょう。より正確な見積もりが出ます。
- 見積もり内容を細かく確認する: 見積もり書には、料金だけでなく、作業内容、オプション料金、保険の有無などが記載されています。内容を細かく確認し、不明な点は業者に質問しましょう。
- 口コミや評判を参考にする: インターネット上の口コミサイトやSNSなどで、業者の評判をチェックしましょう。実際に利用した人の声は参考になります。
- 保険の有無を確認する: 引越し作業中の事故や破損に備えて、「運送業者貨物賠償責任保険」に加入している業者を選びましょう。この保険に加入している業者は、顧客の荷物が破損した際に弁償を行うことができます。
- 追加料金の有無を確認する: 後から追加料金が発生しないか、事前に業者に確認しましょう。特に、階段料金や長距離料金など、追加料金が発生しやすい項目については発生条件も確認しましょう。
- 契約内容をしっかり確認する: 契約書をよく読み、契約内容に納得した上で契約しましょう。
格安引越し業者を選ぶ際の注意点として、極端に安い業者には注意が必要です。料金だけでなく、サービス内容や信頼性も総合的に判断し、業者を選びましょう。
これらのポイントを踏まえ、慎重に業者を選ぶことで、費用を抑えつつ、安心して引越しを任せられる業者を見つけることができるでしょう。
まとめ
県外引越しは、事前の準備と情報収集が非常に重要です。特に、手続きの抜け漏れがないかは、この記事で紹介した項目を参考にチェックリストを作成し、入念に確認しましょう。
執筆者

DOOR賃貸編集部
DOOR賃貸運営事務局