新しく住まいを探す際、内見は欠かせないステップです。賃貸物件、特にアパートやマンション、戸建て問わず、実際に足を運んで部屋や周辺環境をチェックすることで、契約前に見落としを防ぎ、より納得した住まい選びが可能になります。
初めて内見をする方は当日どんな流れで進むのか、持ち物は何が必要か、注意点はあるのかなど、疑問や不安が多いことでしょう。本記事では、初めて内見に臨む方に向けて、内見とは何かや内見当日の流れ、チェックすべきポイント、不動産会社への質問事項などを網羅的に解説します。さらに「内見チェックリスト」を活用し、見落としがちな確認事項を明確化します。複数物件を効率よく回るためのコツから、内見できない場合の対応策、費用面の交渉、賃貸物件の注意点までカバー。
あなたのより良いお部屋にお役立ち頂ければ幸いです。
目次・一覧
内見とは
内見とは
内見とは、間取りや日当たり、設備の状態、周辺環境などを現地でチェックし、写真や情報だけではわからない実際の状況を確認するための重要なプロセスです。
内見では単に物件を見るだけでなく、比較検討することも重要です。他の物件と比べることで、その物件のメリット・デメリットがより明確になります。物件選びで失敗しないためにも、最初に見る物件で即決せず、複数の選択肢を持ちながら冷静に判断することが大切です。内見の流れやポイントを抑え、理想的な新居を見つけるための第一歩を踏み出しましょう。
内見と内覧の違い
「内見」と「内覧」は、ほとんど同義で使われますが、厳密にはややニュアンスが異なることもあります。不動産業界では「内覧」は新築分譲マンションや戸建てなど完成物件を見る場合に使われることが多く、「内見」は賃貸物件を実際に見る場合によく使われます。
ただし明確には区別されず、どちらの言葉でも意味は通じますので、それほど気にしなくても問題ありません。
内見の基本的な流れ
内見の基本的な流れ・手順
内見は賃貸物件を実際に見学する重要なステップです。基本的な流れは以下の通りです。
- 予約 → 来店 → 説明 → 移動 → 内見 → 確認
予約
内見希望日の2〜3日前までに不動産会社に予約を入れるのがおすすめです。これにより、希望の時間に内見がしやすくなります。
予約なし来店は、タイミングによっては案内してもらえないこともありますので、予約をした方が確実です。
来店
予約した日時に不動産会社を訪問します。
当日の急なキャンセルは迷惑がかかりますので、できる限り避けましょう。やむをえないキャンセルや時間に遅れる場合は、必ず連絡をしましょう。
また、近年ではアプリで事前に内見予約を行い、当日現地で待ち合わせるようなサービスも出てきています。来店の手間も省けて効率的なので、興味があれば使ってみて下さいね。
説明
不動産会社のスタッフから物件の詳細説明を受けます。この時、入居可能日や気になる点について質問しておくとよいでしょう。
問い合わせた物件がすでに契約済みになってしまっている場合もあります。
その場合は代替の物件を提案してもらえますので、希望条件などを伝えて物件を探してもらいましょう。
移動
スタッフと共に物件へ移動します。
内見
部屋に到着したら、実際に内見を開始します
確認
内見後不動産会社に戻り、気になった点や質問事項を確認します。
物件の良し悪しを判断し、契約するかどうかを決めます。
内見当日の動きやおすすめの服装
内見当日の移動手段は地域によって異なります。東京や大阪などの都市部では電車移動の場合もありますし、不動産会社の担当者が車で連れて行ってくれる場合もあります。
近場の物件を複数回るときは徒歩移動になりますので、服装はカジュアルで動きやすい格好がおすすめです。歩き慣れていない靴や、高いヒールなどは避けるのが無難でしょう。
内見のポイントは?
内見の際に見るべきチェックポイントと理由を解説します。
共用部分の設備(ゴミ置き場、宅配ボックスなど)
玄関や共用部のエレベーター、ゴミ置き場、宅配ボックス、駐輪場などの状態を見ることで、物件全体の管理や清掃状況が把握できます。
入ったときに感じる第一印象は、物件の印象を左右する重要な要素です。そのため、状態をチェックする際は、清掃が行き届いているか、また手入れが適切に行われているかに注意を払いましょう。特に共用部は住人同士が共有して使用するスペースですので、快適な生活を送る上での重要なポイントとなります。住人のモラルやマナーの判断材料にもなります。
また、ゴミ捨て場の近さや機能も見逃せません。24時間ゴミ捨て可能のマンションもあり、人気があります。
これらが整っているかどうかを確認することは、快適な居住の確保につながります。
部屋全体の雰囲気
内見時、まずは部屋全体の雰囲気を掴みましょう。壁紙や床の状態、天井の高さ、採光、そして匂いや汚れも重要です。新築物件なら比較的綺麗な状態が期待できますが、居住中や退去予定の物件では使用感があります。写真と実際の内見では異なる印象を受けることもあるので、実際に足を運んで空気感を確認してください。エアコンの有無や状態も、後の生活快適性に関わるポイントです。
直感で「良い!」と思うのかどうかも重要なポイントです。
水回りの状態
キッチン、バス、トイレ、洗面所など水回りは、臭いや清潔さなどを確認し、気にある点があれば契約前に不動産会社へ質問するのが良いでしょう。洗面台下収納や排水口の清潔度も確認します。新築や築浅物件でもチェックを怠らないことが大切です。
日当たり・眺望
日当たりは、生活の快適性や光熱費にも影響します。内見の時間帯によって日差しは変わるため、可能なら昼間だけでなく、異なる時間帯でも確認しましょう。もしできない場合は不動産会社に聞くことも一案です。また、東京など都市部では隣接する建物が近い場合もあり、南向きの物件であっても日差しが入らないこともあるので注意!
家具の搬出入が可能か・配置のイメージ
すでに配置予定の家具・家電が決まっている場合は、それらが置けるかどうかの採寸は必要です。また、階段やエレベーター、玄関の大きさによって搬出入が問題ないかも確認しましょう。一般的な家具であれば問題ないことが多いですが、大型家具・家電がある場合は要注意です。
スマホの電波状況
スマホの電波状況を確認しましょう。インターネット環境は今や生活に欠かせないインフラの一つです。通信速度が遅いと、在宅ワークやオンライン会議、動画視聴などに支障が出ますので、重要なチェックポイントです。
コンセントの位置
家具・家電の配置を考えるために、コンセントの位置と数を確認することが欠かせません。後から延長コードを多用すると不便なうえ、見た目も悪くなります。
家事の導線とセットでイメージしてみましょう。
収納の数や大きさ
クローゼットや押入れ・収納の大きさ、数も重要です。収納不足はストレスになるため、チェックリストを用いてしっかりチェックしてください。
バス・トイレやキッチンの収納もどのくらいあるのか確認しましょう。
細かい部分は契約後でも採寸できますが、収納の位置や数だけでも把握しておくと良いでしょう。
周辺の騒音
周辺環境音は注意点の一つで、暮らしの快適さに直接影響します。大通りや高速道路、線路などが近いと、昼夜問わず騒音が発生する場合があります。また、繁華街が近い場合は、人通りや声も賑やかになります。
昼夜で雰囲気が変わることも多いので、夜に内見できない場合は、不動産会社に騒音状況や周辺住民の雰囲気や治安も聞くとよいでしょう。
【初めての一人暮らし】お部屋探しの費用やポイントについて、詳しく知りたい方はこちらの記事へ↓
初めての一人暮らしの部屋探しで、本当に見落としがちな12のポイント【DOOR賃貸】
初めての一人暮らしのお部屋探しに不安を抱えている方へ、家賃や初期費用・設備・周辺環境など、お部屋探しの際に見落としがちなポイントを詳しく解説。みなさんにとって暮らしやすい物件に巡り合うために、この記事が参考になれば幸いです。
内見のコツは?~スムーズで効率的な物件探しのために
内見数はどれくらい?
一度に何件まわるかは重要な問題です。1日3件~5件程度が限度で、それ以上だと記憶や印象が混乱する可能性があります。選択肢があまりに増えると逆に決められない、という心理状況もあります。
不動産社と相談し、適切な移動スケジュールを組むことで、内見の質を高めていきましょう。
見に行く時間帯や時間管理のコツは?
昼と夜で環境が変わる物件も多く、日当たり、騒音、治安などは時間帯によって異なります。可能なら複数回、異なる時間帯に内見できれば理想的です。
不動産会社の同行が難しくても、鍵を借りてご自身だけでセルフ内見ができる場合もありますので、相談してみましょう。
複数回内見が難しい場合は、周辺環境や街の雰囲気を見に行くだけでも意味があります。
また、内見を予定していた物件が埋まってしまった、想像と違ったなどの理由で内見数が増えることも想定し、たっぷり半日程度は時間を確保しておくと安心です。比較的早めの時間帯から内見予約がおすすめです。
内見に行けない時はバーチャル内見!
遠方に住んでいる、忙しい、引越しまで時間がない、新築物件で未完成などの理由で内見できない場合、バーチャル内見・オンライン内見や代理で内見を頼む方法があります。
写真や動画で雰囲気を掴んだり、不動産会社と連携しながら情報収集しましょう。ただし、内見なし契約は後悔する可能性もありますので、できるだけ一度は直接見ておきたいところです。
内見に必要なものやあったら便利な持ち物は?
スリッパ
必須アイテムではありませんが、特に冬場などフローリングの床は冷えるので、あると便利です。
メジャー(アプリ)
家具配置を考えるための寸法計測にはメジャーが必須です。忘れてしまっても、スマホさえあれば定規アプリや撮影するだけで長さを測れる便利なアプリもあります。手持ちの家具が置けるかどうかの判断や、内見後の家具選びに役立ててください。
メモ帳やペン
物件を複数見ると、特徴や注意点を忘れがちです。メモ帳やペンで物件ごとの費用、匂い、騒音、設備など気になる点の情報を記録すれば、後日比較検討がしやすくなります。
不動産会社への質問事項や回答もメモしましょう!
スマホ
スマホはお部屋の写真撮影、地図確認、アプリでの採寸などに役立ちますのでもちろん必須!
メモをスマホで済ませることもできます。
身分証明書
内見をして気に入った場合は、そのまま契約申し込みへと至る可能性もあります。身分証明書があるとスムーズですので、持参しましょう。
不動産会社に聞くことは?
費用面の交渉可能性
敷金・礼金・更新料など、費用面の交渉余地があるか聞いてみると、案外条件が有利になる可能性があります。できないかも、と思ってもダメ元で一度相談してみましょう。何かとお金がかかる引越し、少しでも安くなる方が良いですよね。仲介手数料が安くなるキャンペーンや無料になるサービスがある場合もあります。
また、初期費用や毎月の支払い額に関しても忘れずチェックしましょう。意外な落とし穴で「更新料」にも注意!更新料は賃料1か月分の場合が多いものの、たまに1.5か月分や2か月分の物件があります。長期間住む前提でお部屋を探すなら注意が必要です。
さらに、家賃、管理費/共益費のほかに、サポートシステムへの加入費や町内組合費などがかかる場合もあります。トータルで支払うことになる料金をしっかり確認しておきましょう。
入居時期
入居中物件・新築物件にかかわらずいつから入居できるか、タイミングは必ず把握しましょう。居住者の退去後にクリーニング期間もありますので、入居できるのはその後になります。
住民の雰囲気など
周辺住民の層や雰囲気、治安なども聞いてみましょう。
こんな不動産会社には注意
不動産会社側は、一つでも多くの契約を決めたいものです。「早く決めないと埋まってしまいますよ」など急かしてくる場合や、物件のデメリットについて聞いてもあまり教えてくれない場合などがあります。
また、内見の担当者とあなたの性別が異なる場合、重視するポイントや物件の印象が違うことはよくあります。不動産会社の意見だけに惑わされず、自分にとっての優先順位を明確にしましょう。
物件は早いもの勝ちなので、スピード感も大切ですが、必ずしも焦ってその日のうちに決定する必要はありません。
賃貸入居の費用面について詳しく知りたい方はこちらの記事へ↓
初めての一人暮らしに必要な初期費用は平均50万円? 内訳とポイント、節約方法を解説!【DOOR賃貸】
一人暮らしには契約費用や引越し費用、家具・家電の購入費など、何かとお金がかかります。これから一人暮らしを始めようと考えている方のために、引越しにかかる初期費用の種類や、初期費用を賢く抑えるポイント、節約方法などを解説します。
まとめ:内見チェックリスト!
ここまでご紹介してきた内見に関するポイント、持ち物をチェックリストにまとめました。
内見に行く際には是非ご活用ください。
室内
項目 | チェックポイント | |
---|---|---|
✓ | 部屋全体 | 壁紙や床の状態、天井の高さ、採光、匂いや汚れ |
✓ | 日当たり | 室外に干したい派はマストチェック |
✓ | 眺望・周辺の建物の距離・位置 | 周囲の建物から覗かれるリスクなど |
✓ | スマホの電波状況 | スマホの電波状況をチェック |
✓ | コンセントの位置・数 | 位置・数の把握と家電の配置イメージ |
✓ | 家具の搬出入・配置 | 搬出入の可否・配置 |
✓ | 収納 | 各箇所の数・位置・大きさ |
共用部
項目 | チェックポイント | |
---|---|---|
✓ | 共用部-エントランス | オートロックや防犯カメラの有無 |
✓ | 共用部-エレベーター、階段、通路 | きれいに保たれているか |
✓ | 共用部-ゴミ置き場 | きれいに保たれているか、設備 |
✓ | 共用部-宅配ボックス、駐輪場 | 有無をチェック |
周辺環境
項目 | チェックポイント | |
---|---|---|
✓ | 近隣の騒音 | 生活音、車や電車の走行音など |
✓ | 昼夜の雰囲気の違い | 繁華街が近い場合は夜間の治安に注意 |
✓ | 最寄り駅からのアクセス | 安全な帰宅ルートの確保 |
✓ | 買い物環境 | 近隣のスーパー、コンビニ、ドラッグストアの位置 |
持ち物
項目 | |
---|---|
✓ | スリッパ |
✓ | メジャー(アプリ) |
✓ | メモ帳やペン |
✓ | スマホ |
✓ | 身分証明書 |
執筆者
DOOR賃貸編集部
DOOR賃貸運営事務局