ペット可賃貸物件でも、意外とペットに関するトラブルが起こることがあります。
みなさんは、問題に発展しやすいトラブルがどういったものであるかご存知でしょうか?
大切なペットと安心して暮らすために、よくある事例を知り対策をしておく必要があるでしょう。
そこで今回は、ペット可の賃貸物件でよくあるトラブルと、その対策方法について解説します。
賃貸物件でペットを飼いたいと考えている人は、ぜひ参考にしてみてください。
目次・一覧
ペット可賃貸でよくあるトラブルと対策法
ここでは、ペット可の賃貸物件で起こりやすいトラブルと、その対策法について詳しく解説していきます。
賃貸物件でのペット飼育を検討している人は、問題を未然に防ぐためのポイントを押さえておきましょう。
足音に関するトラブルと対策
ペットの走り回る足音をめぐって、住人との揉め事に発展してしまうことがあります。
特にマンションやアパートでは、下の階への足音は響きやすいので昼夜問わず足音が聞こえていると住人の生活に支障が出てしまう可能性があるでしょう。
そのため、ペット可賃貸であっても足音への対策が必要です。
ペットの足音に関する対策の1つが、床に防音マットやカーペットを敷くことです。
ラグタイプやタイルカーペットなど多くの種類がありますので、ペットの飼育状況に合わせて選択することをおすすめします。
また、ペットがフローリングなどの床に引っかき傷を付けてしまうことも考えられるでしょう。
床に傷を付けてしまうと、退去時の原状回復で請求される費用が高くなってしまう可能性があります。
マットやカーペットはペットの足音だけでなく床への傷対策としても有効ですので、賃貸物件でペットを飼育する際には準備しておきましょう。
鳴き声に関するトラブルと対策
ペット可の賃貸物件で起こりやすい問題の1つが、ペットの鳴き声による騒音です。
特に深夜などの静かな時間帯は鳴き声が響きやすく、近隣住民から苦情が入ってしまう恐れがあります。
また、「普段から大人しいペットなのに、うるさいと言われる」という場合、飼い主が外出中に鳴き続けている可能性が考えられます。
飼育するペットが頻繁に無駄吠えをする場合は、しつけが大切です。
運動や散歩でストレスを軽減させたり、他の人や動物と楽しく触れ合って慣れさせたり、吠える原因となるものを排除したりするなどの対策が考えられます。
自身でのしつけが難しい場合は、プロに相談してみるとよいでしょう。
さらに、引越し時にアパートの上下左右の住人に挨拶してペットを飼育する旨を伝えておくことも大切です。
ペット可の物件であっても、すべての住人がペットを飼っているとは限りません。
「お互い様」という気持ちに甘えずに、きちんとリスク対策をすることが住人同士の揉め事を防ぐことにつながるでしょう。
においに関するトラブルと対策
ペット可賃貸で起こりやすいトラブルとして、「におい」に関連するものが挙げられます。
犬や猫などの動物と一緒に暮らしていると意外と気付きにくいのですが、他の方々には気になるにおいが発生していて、近隣住民の迷惑となっていることもあるのです。
不快に感じやすい主なにおいは、ペットの排泄物と体臭です。
においを抑えるためには、排泄物をこまめに捨てて、清潔な状態を保つことが大切です。
消臭効果のあるトイレスプレーなど、消臭グッズも役立つでしょう。
また、定期的にペットの体を洗い、体臭予防に努めることも大切です。
さらに、部屋ににおいがこもらないように、こまめに換気や掃除を行いましょう。
共用スペースを汚すなどのトラブルと対策
犬などのペットが賃貸マンションの共用スペースに粗相をしてしまったり、走り回ったりしていまい、近隣住民から苦情がきて問題になってしまうケースがあります。
共用スペースでは抱きかかえて移動するなど、他の住人の迷惑にならないような対策をする必要があるでしょう。
また、飼い主に悪気がなくても、知らずのうちに他の人に迷惑をかけているケースがあります。
たとえば、ベランダでブラッシングをして、抜けた毛が他の住人のベランダに飛んでしまい汚してしまうケースなど。
ペットを飼育する場合は、ペット可物件であっても他人の迷惑にならないような配慮が必要だといえるでしょう。
物件によってはベランダでの飼育が禁止されていることがありますので、決められている飼育ルールについても確認しておくことが大切です。
人に飛びかかる・人を噛むなどのトラブルと対策
ペットが人に飛びかかったり、または噛みついてしまったりして相手にけがをさせてしまった結果、飼い主に損害賠償を請求する裁判に発展してしまったケースもあります。
そのため、廊下などの共用部分で人が近付いてきたときは特に、ペットが飛びかからないような対策をする必要があります。
日頃からきちんとしつけをすることはもちろん、外出時は必ずリードを付ける・人と会う可能性がある場所ではリードを短めに持つなどの対応を心がけましょう。
契約違反に関するトラブルと対策
ペット可の賃貸物件であっても、飼育できるペットの種類や頭数などの条件が決められていることがあります。
したがって、「ペット可」となっているからといって、どんなペットでも自由に飼育して良いわけではありません。
たとえば、小型犬1匹のみという契約をしているのに猫を飼っていれば、契約違反となってしまいます。
大切なペットと安心して暮らすためには、自身の飼育状況に合う物件を探し、決められたルールを守って飼育することが大切です。
飼育条件について詳しく知りたい場合は、不動産会社に確認してみましょう。
また、ペットを飼育していると室内に傷がつきやすいことなどから、退去時の敷金や原状回復費用をめぐって予想以上の費用がかかる場合があります。
ペット可物件では、敷金が償却となっていたり、退去時のクリーニング費用が高めに設定されていたりすることがありますので、事前に賃貸借契約書の内容をきちんと確認しておくことが重要です。
わからないことがあれば、契約前に不動産会社に相談しましょう。
さらに、飼育できるペットの頭数に制限が設けられている場合は、ペットが子どもを産んで頭数が増えた場合のことも確認しておくことをおすすめします。
大家さんや不動産会社との間で追加の取り決めがあった場合などは、その旨が契約書に追記されているかどうかもしっかり確認しておきましょう。
ペット可賃貸でのトラブル事例や対策を理解しておくことが大切
ペット可賃貸であっても、ペットに関連するトラブルは起こり得ます。
未然に防ぐためには、ペットの飼育によるトラブル事例を知り、きちんと対策をしておくことが大切です。
また、日頃のしつけや対策をしっかりと行うことはもちろん、飼育状況に合った物件探しも重要です。
ルールやマナーを守り、近隣住民と良好な関係を築きながら、大切なペットと暮らしましょう。
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ペットと暮らす物件を上手に探すコツ・チェックポイントを解説します。ペット可物件特有の条件についてもご紹介しますので、賃貸でペットを飼いたい人はぜひ参考にしてみてください。
執筆者
小花 絵里 宅地建物取引士/賃貸不動産経営管理士/FP2級など
不動産会社や住宅メーカーの不動産部に勤務。不動産賃貸・売買契約の他、社宅代行、宅地造成などの不動産業務に携わっていました。
現在は、不動産や金融関係の執筆をするフリーライターとして活動中。夫婦で不動産投資や株式投資を行っています。
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